ひとことに「食道がん」と言っても、その種類はたくさんあります。どのような種類があるのかご説明しましょう。食道の長さはおよそ25cm。太さ3から4cmほどの筒状です。食道の構造は、4層に分けられます。内腔側から粘膜、粘膜下層、固有筋層、外膜という構造になっているのです。がん細胞が発生している場所や、大きさ、状態、進行度合いなどで分類されているのです。
その中で、日本人に多く見られる食道がんは、粘膜の表面にある上皮に発生する「扁平上皮がん」と言われています。食道の上皮細胞ががん化するタイプは、日本人の食道がんの内、ナント9割以上を占めると言われています。「扁平上皮がん」は増殖を続けると、食道壁をも越えて、肺や心臓という周辺の臓器にまで影響を与えてしまいます。転移してしまうのです。
リンパ管に転移すれば、ガン細胞が全身に運ばれてしまうことにもなりかねません。そうならないためにも、早期発見が必要。注意を怠ってはならないがんと言えるでしょう。また、「扁平上皮がん」の他に、「腺がん」も比較的多くなっています。「腺がん」は胃の近い部分、食道下部で起こるがん。腺上皮の層で発生します。
元々、欧米人に多いタイプの食道がんだったのですが、最近は日本人患者も増加気味。食の欧米化による影響が懸念されています。食道下部で起こる「腺がん」は、食道から胃液が逆流してしまう「逆流食道炎」が大きな原因ではないかと言われています。この「扁平上皮がん」と「腺がん」は、日本人の食道がん全体の95%を占めるほどの代表的ながんです。
あとの残り5%には、「未分化細胞がん」、「悪性黒色腫」、「がん肉腫」などの種類があります。さらに、見た目による分類も行われています。表面に見えている「表在型」。そして表面が陥没している「進行型」に分けられるのです。これらの食道がんの種類に応じて、最も適切な治療方法が行われることになるのです。