食道がんが進行すれば、リンパ節や他の臓器に転移をおこします。非常に厄介な病気なのです。今回は、食道からがんが転移していく過程をご説明しましょう。転移とは、食道がんが発症した病巣から、他の臓器などへ移動することです。転移には大きく分類して2種類あります。「リンパ節性転移」と「血行性転移」です。
リンパ節に入り込んだがんがリンパの流れに乗って転移していくのが「リンパ節性転移」。血管の流れによってがん細胞が全身に広がるのが「血行性転移」です。リンパ節転移であっても、原発巣近くのリンパ節に転移するだけではありません。近くを通り越して、遠くへ転移する可能性もあります。他の臓器に流れ込むことだってあるのです。
リンパの流れというのは、首の付け根部分で、静脈に流れ込んでいます。ですから、血行性転移となる可能性もあるのです。食道がんの転移は、咽頭、心臓、副腎、肝臓、脳などまで達することもあります。のどの部分を中心として、外へと広がりつつ進行していくのです。転移は、がん細胞が食道粘膜の表面部分だけに存在する場合には、ほとんど起こることはありません。
粘膜表面の下にある「粘膜下層」にまでがんが達していたら、その患者の約半数の割合で「リンパ節転移」が起こっていると言います。食道周辺の臓器もがん化しているケースだと、リンパ節転移が起こる確率は、ナント80%。驚異的な確立です。多臓器への転移は、食道がん治療を更に難しいものにしてしまいます。次々に、色々な症状が起こることも。
定期的に検診を受け、食道がんが進行していないかをチェックする必要があります。細心の注意が必要です。急に、思いもよらない形で転移が発覚する場合もあります。もし、食道がんを患った経験がある方は、いつもとは違う状態に気付いたら、検査を受けるようにしましょう。例えば、原因不明の肩の痛みであったり、のどの違和感などが、その主な症状です。
食道がん治療も、他のがんと同様、違和感を感じたら速やかに受診することが大切です。受診を先延ばしにしていると、進行してしまう可能性があるからです。また、治療後のケアも、がんにはとても重要なことです。再発や転移を予防する意味でも、毎年人間ドック などの検診を受けるようにしましょう。