食道がんを発症する日本人の多くは「扁平上皮がん」であると言われています。「扁平上皮がん」というのは、食道粘膜の表面にできるがんです。一方「腺がん」は、分泌液を出す腺細胞で発症するがんのこと。日本人の多くが「扁平上皮がん」患者であるということは、発症する食道がんの種類は人種によって異なるということなのでしょうか。
白人の方の場合、胃液が逆流することが多いため、食道の扁平上皮がダメージを受けやすくなっています。そこから、がんが発症するケースが多いのです。このように、罹患率は人種によって大きく偏りがあると言えるでしょう。食道粘膜の強度は、日本人に比べ、白人の方が強いと言われています。
日常的に、たくさんの肉を食べ、水のようにワインを飲み干す白人に比べると、日本人の食道の粘膜はデリケートと言えるかもしれません。日本人は民族的に、扁平上皮がんになりやすい民族とも言えるでしょう。食道の扁平上皮がんは発症しやすい半面、有色人種である日本人は、皮膚がんの発症率はかなり低め。紫外線に対しては、白人よりも強いのです。また、日本人はお酒の弱い方が多いものです。
飲むとすぐに顔が赤くなってしまうという方は多いもの。遺伝的にアルコールに弱い体質の方も多いものです。このように、アルコールに弱いにもかかわらず、大量にお酒を飲んだり、頻繁に飲酒する方は、食道がんへのリスクも高まります。治療においも人種による問題が発生するもの。多数ある抗がん剤の中には、人種によって効果の出方が異なるものもあるのです。
同じ抗がん剤で治療していても、日本人と他の民族の方では、効果の現れ方や副作用の現れ方が違ってくるという報告もあります。これらの人種間の相違は、まだまだ解明されていないことも多いもの。今後、治療面、予防面など、食道がん対策となるよう、人種とがんの関係についても調査が進むことでしょう。